このページでは、酒に酔った相手との性交等が強制性交等罪になるかについて解説しています。
強制性交等罪の成否についてのポイント
相手(13歳以上の者)が性交等に同意していたのであれば、強制性交等罪は成立しません。ただし、相手が事後に「同意はなかった」と言い出した場合、捜査機関は被害を受けたと主張した者の話に沿って容疑を組み立てます。
そうなった場合、自分の言い分を貫きたいときは容疑を否認し、トラブルを早く終わらせたいときは示談をするといった選択肢があります。どちらの選択肢も一長一短です。
強制性交の分かれ目は同意があったどうか
強制性交等罪は、暴力または脅迫を用いて、相手方の意思に反して性交等をした場合に成立します。相手が性交等に真意から同意していたときは、強制性交等罪にはなりません。
このように、強制性交等罪となるかどうかの分かれ目は、相手の同意(承諾ともいいます)があったかどうかにあります。
したがって、相手が酒に酔っていた場合であっても、性交等することに真意から同意していた場合には、強制性交等罪は成立しません。
警察は被害者側の言い分に乗って捜査する
ただし、性交等の相手が後日になって「あの時は同意していなかった、無理やりされた」と言い出すことがあります。
捜査機関は、基本的に「被害を受けたと主張している人」の話すストーリーに沿って容疑を組み立てます。それに対して、あなたが「同意はあった」と主張すると、容疑を否認していると受け取られてしまいます。そうなると、逮捕されるリスクが高まってしまいます。
このように、性交等の相手が事後になって「同意していなかった」と言い出した場合、どのように対応するべきかという難しい問題が生じます。
事後になって性交等の相手が「同意はしていなかった」と言い出した場合の対応策
事後の対応策としては、「同意があった」という言い分を貫きたいときは、容疑を否認することになります。ただしこの場合、逮捕されるリスクが高まることを理解しておく必要があります。逮捕されるリスクを下げるためには、弁護士を立てて間に入ってもらい、逮捕回避の意見書を提出してもらうという方法が考えられます。
事後の対応策として、相手の言い分を認めて示談をすることも、1つの選択肢です。示談をして、被害届を出さないことを約束してもらう、あるいは被害届を取り下げることにより、事件が解決することもあります。ただしこの場合、後になって「やはり同意はあった」と言い分を翻すことが事実上できなくなる(信用してもらえなくなる)ことは、理解しておく必要があります。